アシタカ「何か来る……ジイジ、何だろう?」
ジイジ「分からぬが、人ではない。村の方はヒイさまが皆を呼び戻している」
アシタカ「!」
ジイジ「来おった!」
ジイジ「ヤバいやつだ!!!」
アシタカ「ヤバいやつ!?」
ジイジ「ああ、かなりヤバい……!」
アシタカ「ジイジ、何がどうヤバいというのだ。あれはなんだ」
ジイジ「足が何本も生えているし、全体的にどす黒い……何より目が赤い!!!」
アシタカ「見れば分かる!!!」
ジイジ「そうではない! よく見てみろ、アシタカ。 あれはでかいミミズみたいなのがいっぱい集まって塊になっているんだ」
アシタカ「本当だ! まさかあれは……」
ジイジ「ああ……めちゃくちゃ気持ち悪い!!!」
アシタカ「そうじゃなくて!!」
ジイジ「何がそうじゃないというんだ、アシタカ。あれの通った跡を見ろ」
アシタカ「草木が……腐敗している……!?」
ジイジ「というより……」
アシタカ「?」
ジイジ「すごく臭そうだろう」
アシタカ「どうでもいいよ!!!」
ジイジ「どうでもいいということはない。ワシは臭いのは嫌だ」
アシタカ「うるさいなあもう!」
ジイジ「それよりも見ろアシタカ。ヤックルがヤバい」
アシタカ「うわっ、本当だ、ヤックル逃げろ! ていうかなんであんたはそんなに冷静なんだよ!!」
ジイジ「どうせみんな死ぬからな……」
アシタカ「諦め早いな!! 相手の正体も分からないのに」
ジイジ「いや、あれはおそらくアレだ、タタリ神だ」
アシタカ「タタリ神!?」
ジイジ「ああ。でももしかしたら違うかもしれない。しかし違ったとしてもワシのせいではない」
アシタカ「ジイジさっきからぐちゃぐちゃうるせえよ!」
ジイジ「あっ!」
アシタカ「どうしたジイジ」
ジイジ「なんか大丈夫っぽい。ほら、向こうの方へ行く」
アシタカ「全然大丈夫じゃないだろ!! 村の方でしょ! 襲う気だよ」
ジイジ「アシタカ。ワシは自分が無事ならそれでいいんだ」
アシタカ「クズジジイ!! とにかく私は奴を食い止める! 行くぞヤックル!」
ジイジ「アシタカ! 手を出すな、ヤバい感じのことになるぞ! 最悪死ぬかも!!!」
アシタカ「うるっせえ!!!!」